デジタコとは?

デジタコとは?

デジタコ(デジタルタコグラフ)は、トラックやバスなどの商用車両に搭載されるデジタル式運行記録計の略称です。この装置は、車両の運行状況を記録し、以下のようなデータを収集・保存します:
  • 走行速度
  • 走行距離
  • 運転時間
  • 休憩時間
  • 急発進や急減速などの運転挙動(一部のモデル)
これらのデータは、運行管理者がドライバーの運転状況を把握し、安全運転を促進するために活用されます。また、デジタコはアナログ式タコグラフ(アナタコ)と異なり、データをデジタル形式で保存するため、記録の正確性や改ざん防止の面で優れています。

デジタコ義務化の背景と目的

デジタコの義務化は、交通安全の向上と労働環境の改善を目的としています。特に、長距離輸送や長時間労働が多い運送業界では、以下のような課題がありました:
  1. 交通事故の削減:トラックやバスは重大事故の発生率が高いため、運行記録を通じて安全運転を促進。
  2. 労働環境の改善:ドライバーの過労運転を防ぎ、適切な休憩を確保するための管理ツールとして活用。
  3. 運行管理の効率化:データを活用して運行計画を最適化し、業務効率を向上。

デジタコ義務化の開始時期

デジタコの義務化は段階的に進められており、以下のような重要な節目があります:
  • 2015年4月:車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上の新規購入トラックにデジタコ装着が義務化。
  • 2017年4月:既存の車両(新規購入以外)にも同条件で装着義務化。
  • 2024年4月1日:貸切バスや一部の事業用車両において、デジタコ装着が完全義務化。
さらに、2026年にはEU規則に基づき、車両総重量2.5トン以上の商用車両にスマートタコグラフ(次世代型デジタコ)の装着が義務付けられる予定です。

デジタコ義務化のメリット

デジタコの義務化により、以下のようなメリットが期待されています:
  1. 安全性の向上:運転挙動の記録により、危険運転の抑止。
  2. 法令遵守の強化:運転時間や休憩時間の記録が正確に行われ、労働基準法や交通法規の遵守が容易に。
  3. 業務効率の向上:運行データを活用した効率的な運行管理が可能に。

注意点

デジタコの装着義務を怠った場合、罰則が科される可能性があります。また、装置の導入コスト(約20万円)が高額であるため、国や自治体による助成金制度を活用することが推奨されています。
デジタコの義務化は、運送業界全体の安全性と効率性を向上させる重要な施策であり、今後も技術革新とともに進化していくことが期待されています。